♡輪唱SAKURA♡ 導かれし刻12 忍者ブログ
ここは『遙かなる時空の中で』の二次妄想小説置き場です 大人の表現や18禁文章もございますので未成年の方の入室はお断りいたします
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『流転刻』
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金魚
『輪唱 SAKURA』
 程よい艶と妄想を!           エロくたって    いいじゃない!    人間だもの
HN:
紅緋
HP:
性別:
非公開
職業:
実質自宅警備員
趣味:
妄想
自己紹介:
《せつない桜》の別館として。
発起日 2010年    12月20日
明日もがんばろう
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       距離





   「でね 空には大きな鉄の塊が浮かんでさ」
   「天に鉄が浮かぶのか?」
   「うんうん でね鳥より速く飛んでくの!」
   「どんなからくりなんだ?」
   「さぁ 知らな~い」


   寝転びながら現代の話をすると
   堪増は驚きながら話し相手となる
   きっと仕事の邪魔だろうがお構いなしに喋った

   こうした時間は数分足らずだが
   遠慮してくれと言われない事をいいことに
   毎日顔を出していた
    
   私には堪増しか話し相手が居ない
   屋敷の人にも歩み寄ってみたが
   そそくさと逃げてしまうのだ

   まだ不審者として警戒しているのだろうか?
   いや 違うな…
   関わり合いたく無いというか
   私に怯えているのだ


   「ねぇ…」
   「ん?」
   
   どう思われているかなんて聞けない
   聞いて落ち込むのも御免だ
   
   「なんでもない」
 
   夕日が眩しくて瞼を閉じる横顔を
   堪増が見つめているのを感じたが
   目を開ける事を躊躇った
  
   「この熊野はお前を歓迎するよ」
    この海も滝も山も 
    そしてこのオレもお前を歓迎する

   「…私を受け入れてくれるということ?」

   
   時を越えたなどと寝言のような話を信じ
   この存在を認めてくれるということ?
   
   やだ… 涙 

   萎んでいた心に堪増の言葉は染みた
   ずっとその言葉を待っていたのかもしれない
   
   うう…っ

   嗚咽が止らず肩が震える私を
   そっと引き寄せる堪増の胸元から
   香の薫りが優しく包んだ 

   涙が止るまで堪増は側に居てくれた




   ****



   「ーー何か分かったのか?」

   行灯の炎が微かに揺れ
   鳥が几帳の影で片膝立て頭を垂れる

   「女の身元は今も不明ですがーー」
    京に白龍の神子が舞い降りたと噂が
  
   「白龍の… 神子?」

   噂の信憑性を探れと命じると
   鳥は音も立てずに立ち去った
    
   乱世に現れるといわれる白龍の神子が
   本当に現れたとなれば流れも変わる
   源氏には確か黒龍の神子が存在している
   陰と陽の神子が揃えば何かが起こるはずだ

   「面白そうだねぇ フフフ」

   弾む心を沈めるように
   行灯の火を一吹きで消した








   ~~~ 独り言 ~~~

   欲しかったのはその言葉だ
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