♡輪唱SAKURA♡ 導かれし刻6 忍者ブログ
ここは『遙かなる時空の中で』の二次妄想小説置き場です 大人の表現や18禁文章もございますので未成年の方の入室はお断りいたします
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『流転刻』
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金魚
『輪唱 SAKURA』
 程よい艶と妄想を!           エロくたって    いいじゃない!    人間だもの
HN:
紅緋
HP:
性別:
非公開
職業:
実質自宅警備員
趣味:
妄想
自己紹介:
《せつない桜》の別館として。
発起日 2010年    12月20日
明日もがんばろう
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        身元

  










   ーー みこ…  我が… ーー


   心地よい粛々した声が心を揺さぶり
   瞼の重みがその先を欲する
   

   ーー 神子よ… 我が神子よ ーー


   みこ…? みこって…何よ…



   ーー 時を違えた… ーー

   
   ん? …何?





   
   「う… うぅ…」


   ゆらゆらと揺れる光が
   行灯のものだということを
   暫くは理解出来なかったが
   目の前に広がる薄暗さを受け入れてからは
   それは容易に認められた

   「ここは…」
   「目が覚めたかい? ここはオレの部屋だ」

   覗き込む男に安堵が灯る 
   雨戸の隙間からさし込む光は月のものか…
   随分寝ていたものだと唖然とした

   「…もう殺されたかと思った」

   首の違和感が現実に引き戻し眉を顰める
   治療をされたのか
   肌触りの良い絹が巻かれている
   布越しから血潮が単調に疼いた
 
   「手荒な真似をして悪かった…」
    傷つけたのはオレの失態だ

   「……」

   心からの陳謝だと分かるだけに
   わめいて罵倒するのが躊躇われる
   
   「末代まで祟ってやったのに…」 
   「未然に防げてよかった くすっ

   憎まれ口を容易に躱す男に
   心がクスリと笑う
   
   「…疲れたわ もう少し寝かせて」
   「あぁ ゆっくり眠るといい」
   「…再び目が覚めたら元の世界に帰して」
   「元の世界?」

   「帰りたい…」


   この痛みが夢ではない事は承知している
   しかし、僅かな可能性でもあれば
   願わずにいられない


   ーーー 夢なら醒めて ーーー


   と






   ****




   女は大きく息を吐き出し、
   暫くすると小さな寝息を立て始めた
   頬にかかる乱れ髪を何度か指先で弾けば
   くすぐったいのか眉をよせて顔を背けた

   「ーーで わかったのか?」
   「間者ではないようですが身元は不明です」

   微音の先に鳥が片膝を立て報告を始め
   それに相づちを打つ

   「…纏う神気はたしかなものだーーー」
    用心に越したことはない 引き続き女の身元を
   
   「御意」

   行灯の灯を吹き消すと同時に
   鳥はその姿を消した








   ~~~ 独り言 ~~~

   リアルな夢だったと
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